22 AIとは:YouTubeはあなたのことをいかにして学ぶか(1)

モデルと推奨事項

アクティビティ

これらは、フランスのナントに住むジョン・ドゥとトム・ハリーという二人の男性のクレジットカード取引です。彼らはこの週末になにかをしたいと考えています。あなたは彼らに何をお勧めしますか?

 

選択リスト:

  1. 新しいバーガーキングの店舗
  2. オリーブオイルの試飲イベント
  3. オンラインのスーツケース店
  4. 川沿いのコンサート
  5. ベビースイミングクラス

推薦推奨システムは、それなりの歴史をもっています。たとえば、観光ガイドや〇〇トップ10といったリストが、その事例です。The Guardian Best Books of 2022は、すべての人に同じ書籍リストを推奨していますが、あなた自身が本書籍を選ぼうとするときは、おそらくそのリストを翻案しているでしょう。いくつか選んで、自身の好みに基づいて読む順序を変更するというように。

では、見知らぬ人に推奨するときはどうでしょうか?先の事例では、おそらく与えられた情報に基づいて彼らの性格を想像しようとしたでしょう。あなたは判断を下し、ステレオタイプに当てはめるのです。そして、相手のタイプがわかったら、リストのなかから関連性のあるもの(またはそうでないもの)を選ぶでしょう。Amazon、Netflix、YouTubeなどの推奨システムも同様のプロセスを踏んでいます。

今日では、誰かが情報を検索したり、オンラインコンテンツを探したりするときはいつでも、何らかのパーソナライズされた推奨システムが使用されていま1,2。YouTubeの主な機能は、プラットフォーム上の全動画のなかでなにを視聴するべきかをユーザーに提案することです。サインインしたユーザーの場合、過去の視聴履歴からモデルないしは性格タイプが作成されます。ジョンという人物のモデルが構築されると、そのモデルに当てはまる別の誰かを特定できるようになります。そしてジョンには、自身が視聴した動画と類似した動画だけでなく、彼と似た傾向をもつ他のユーザーが視聴した動画が推奨されるようになります。

モデルとは何か?

モデルは、動画から子どもが学ぶべき教訓(lesson)にいたるまで、あらゆるものをユーザーから模倣するために使用できます。モデルは世界の簡略化された表現であるため、機械はそれを理解したふりをすることができます。

Youtubeがあなたのことを知る方法

推奨にかかるすべての問題は、いかなる代替質問を用いるかに帰着します。「何を推奨すべきか」という問いは、あまりにも大雑把で、アルゴリズムにとっては空虚だからです。Netflixは開発者に、開発者にたいし、ユーザーAが動画Bに与えるであろう評価を、Aによる他の動画への評価を考慮して求めることを要請しました。YouTubeでは、特定の状況下で、特定のユーザーの視聴時間を検討します。何を尋ねるか、何を予測するかという選択は、どのような推奨事項が表示されるかに大きな影響を与えるのです3。正しい予測がよい推奨につながるという考えです。予測自体は、似たような嗜好履歴をもつ他のユーザーに基づいています4。つまり、モデルが類似しているユーザー群です。

ユーザーモデル

YouTubeは、推奨にかかるタスクを2つに分割し、それぞれに異なるモデルを使用しています3。しかし、ここではより簡単な説明に留めます。

ユーザーモデルを作成するにあたって、開発者は、動画推奨に関連するデータはどれかを問うことになります。ユーザーが以前に視聴したもの、これまでの彼らのレビュー、評価の星の数、明示的な嗜好、検索履歴。YouTubeは明示的なデータよりも暗黙的なシグナルを活用しています。後者はより容易に入手できるためです3。ユーザーは動画をクリックしただけなのか、それとも実際に視聴したのか?視聴したなら、どのくらいの時間か?ユーザーは過去の動画推奨にたいしてどのように反応したのか1?どの推奨が無視されたのか?

これらの直接的な情報とは別に、性別、言語、地域、デバイスの種類などの人口統計学的情報は、新規ユーザーやまだサインインしていない未来のユーザーにたいして非常に価値があります3

各ユーザーにモデルを適用可能になったら、ユーザーを比較し、その情報を推奨に使用できます。

動画モデル

互いに類似しつつも異なる動画を使用することもできます。YouTubeは、特定の動画に関する情報を分析します。具体的には、タイトルと説明、動画の質、視聴回数、「いいね」の数、お気に入りの数、コメント数、共有数、アップロードされてからの経過時間、親チャンネル1の登録者数などです。

ユーザーが次に視聴する動画は、その動画がシリーズ内のエピソードかプレイリスト内のアイテムかにも依存します。新しいアーティストを見つけたいユーザーは、最も人気のある曲からより小さなニッチに遷移するかもしれません。また、サムネイル画像の品質が低い動画はクリックされない傾向にあります1,3。こうした情報もすべてモデルに組み込まれます。

推奨システムの構成要素のひとつは、1本の動画から関連動画のリストを生成することです。この文脈では、関連動画を、ユーザーが次に視聴する可能性が高い動画と定義しま3。目標は、データから最大限の価値を引きだし、より優れた推奨を実現することです4


1 Davidson, J., Liebald, B., Liu, J., Nandy, P., Vleet, T., The Youtube Video Recommendation System, Proceedings of the 4th ACM Conference on Recommender Systems, Barcelona, 2010.

2 Spinelli, L., and Crovella, M., How YouTube Leads Privacy-Seeking Users Away from Reliable Information, In Adjunct Publication of the 28th ACM Conference on User Modeling, Adaptation and Personalization (UMAP ’20 Adjunct), Association for Computing Machinery, New York, 244–251, 2020.

3 Covington, P., Adams, J., Sargin, E., Deep neural networks for Youtube Recommendations, Proceedings of the 10th ACM Conference on Recommender Systems, ACM, New York, 2016.

4 Konstan, J., Terveen, L., Human-centered recommender systems: Origins, advances, challenges, and opportunities, AI Magazine, 42(3), 31-42, 2021.

ライセンス

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